高水分コムギのコンバイン収穫における粉色劣化の低減策：扱胴回転数，作業速度の調整を

摘要

国内産コムギは収穫時期が梅雨と重なることが多く，降雨による品質低下を避けるために平均水分が30％を超える高水分状態で収穫される場合も多い。しかし，高水分コムギは収穫時の損傷や乾燥調製処理の困難さから品質劣化等の問題を起こし易く，実需者からも粉色，澱粉品質等の問題から敬遠される傾向があり，品質の改善が求められている。 ここでは，コンバイン収穫時の粉色劣化低減策というタイトルではあるが，品質劣化の防止には，収穫時の穀粒水分条件，コンバイン収穫条件，高水分小麦収穫後の乾燥条件のすべてを適切に保つことが必要であるため，それらを含め以下に順を追って解説する。