固相抽出法を用いる高速液体クロマトグラフィー／紫外分光光度検出による環境水中のオキシン銅の分析

摘要

果物や野菜などの殺菌剤として知られているオキシン鋼（有機鋼）は，我が国の水質汚濁に係る環境基準の要監視項目として定められており，その指針値は0.04mgナ1とされている。 現在，オキシン銅の測定法は，一般的に公定分析法で定められているODS系の固相を用いた抽出を試料前処理として行い，ODS系の分離カラムを使用して高速液体クロマトグラフィー／紫外分光光度検出(HPLC- UV)で測定を行うこととなっている。 オキシン銅のような金属配位性化合物の測定では，公定分析法にもあるように，酸など影響によって解離した有機化学物質（8－キノリノール）を検出するのが一般的な方法である。この解離した際に生じる銅(Cu)のような金属は，通常のシラノール処理をしたODS系の分野カラムでは検出ピークのテーリングの原因となり，EDTAを溶離液に添加して銅(Cu)の影響をマスキングしなければ0.5mgl{sup}(-1)程度ですら測定が困難であることが知られている。 しかし溶離液にEDTAを添加すると，添加しない場合に比べ，イオン対試薬を添加したときと同様にべースラインが不安定になる場合もある。