トンネルを通過する新幹線列車からの低周波音

摘要

低周波音は，風もないのに建具等が揺れる，窓ががたつくといった物的影響に，低い音が耳に付いて離れない，気分がいらいらする，めまい，頭痛がする，夜眠れないといった，受け手の傾けの微妙な心理的·生理的影響が強く加わるため，評価方法，規制等の対策が遅れている。 新幹線からも低周波音が発生することが知られ，トンネルに高速列車が突入すると，列車前方のトンネル内の空気が圧縮されて圧縮波が形成され，反対側のトンネル出口から周囲に向けてソニックブームに似たパルス状の圧力波（鉄道関係者の間で「微気圧波」と呼ぼれる）が放射される。 また，列車通過時には空気を切って走行する列車本体からも低周波音が発生することが知られている。 今回，トンネル出口と出口から100m離れた2地点で同時に，列車がトンネルに突入しトンネルを通過し終わるまでの間に発生する低周波音を測定したので，その結果を報告する。