第125回 ふっ素（F）分析値自己管理会配布試料について－分析値自己管理·診断·評価のために

摘要

今回配布した目標調製濃度は，10 mgF／Lです。IC法を用いた場合，JIS（K0102）の定量範囲にあるので無希釈で，またNaFで調製した試料なので無処理で行うこともできるかもしれません。ただ，JISのIC法は『清浄な試料』を対象としています。蒸留操作（前処理）や妥当性が保証された日常分析の検量線範囲内になるように希釈を行う必要があります。配布試料は前処理及び希釈操作の検証に活用してください。また，ランタン-アリザリンコンプレキソン吸光光度［LaA／ABS］法を用いた「流れ分析」に対してもハロゲン化物（Cl）と金属（Fe）を共存させた配布試料なので，前処理（蒸留分離）が必要です。さて，参加された方の分析は如何なる結果になったでしょうか。