ダイオキシン類の迅速·簡易測定技術バイオアッセイケイラックスアッセイ

摘要

ダイオキシン類の環境汚染が大きな社会問題となり，その対策として2000年，ダイオキシン類対策特別措置法が制定，施行された。 また，ダイオキシン類の分析方法等についてもJISで定められた。 このようなダイオキシン類対策に対する法の整備が行われてから3年が経過した現在，地方自治体，事業者はJISで定められた分析方法等により，ダイオキシン類の環境モニタリングを本格的に行っている。 しかしながら，高分解能ガスクロマトグラフ質量分析計（HRGC/MS）を用いるJISで定められた分析法（公定法）による分析は，非常に高価な分析装置が必要である，抽出から分析までの操作が非常に複雑である，そして分析結果を得るまでに非常に時間がかかり，分析費用も高い，という問題がある。 このような背景から，ダイオキシン類をより早く，より安価に分析できる簡易分析法が次々と開発され，その有効性が確認されつつある。 そこで本稿では，ますますその必要性が高くなってきている様々なダイオキシン類の簡易測定法について，それぞれの特徴を紹介し，それぞれの特徴を生かした利用法，その中でも特にケイラックスアッセイ（CALUX{sup}TM Assay）について詳細を述べたいと思う。 また，第三者機関が中心となってこれらダイオキシン類の簡易測定法に関してその性能，性質の比較検討が行われているので，その結果についても紹介したい。