環境測定用有機標準液の開発の現状

摘要

ダイオキシンやいわゆる環境ホルモン（外因性内分泌撹乱化学物質）などの有機物質に起因する環境影響が社会的に大きな問題となっている中で，その濃度を測定する際の基準となる標準物質の整備が緊急の課題となっている。 このような状況の中で，現時点では我が国における化学標準物質の開発·供給状況は一部の無機標準やガス標準に関してはある程度体制が整備されているが，有機系標準に関してはVOC（揮発性有機化合物）についての国家標準がようやく供給開始されようとしている段階である。 しかしながら，このVOCを含めて開発すべき有機関連の標準物質は山積しており，今後，これら標準物質の開発に向けて国立研究所を中心に，関係各機関の協力を仰ぎながら，一層努力を重ねる必要があろう。