第102回 亜硝酸性窒素（NO_2-N）,硝酸性窒素（NO_3-N）及びアンモニア性窒素（(NH_4)~+-N）分析値自己管理会配布試料について分析値自己管理·診断·評価のために

摘要

(NH_4)~+や(NO_2)~-は経時的に変化し易いと言われます。今回配布した試料は，微生物の影響は無視できると思いますが，環境試料では微生物の影響による変化に注意が必要です。水試料の場合，アンモニア性窒素，有機体窒素及び全窒素用の試料は塩酸又は硫酸，亜硝酸及び硝酸性窒素用の試料には，クロロホルムを添加する保存処理を実施します。公定法に採用されているJIS法は『短い日数』であれば無処理のまま「0～10℃」の「暗所保存」が認められ，IC法を用いる場合には，無処理の試料を「できるだけ早く」測定します。多くの測定機関で実施している方法ではないでしょうか。ただ，化学反応や微生物などによる影響を受けやすい窒素化合物もあることから，公定法を熟知した上，試料の性状を見極め，前処理の有無，保存期間や温度，共存する化学物質や微生物に注意してください。