超音波横振動の利用技術

摘要

超音波プラスチック溶着機は1961年，東京晴海の国際見本市にて当社より発表された．当時の超音波溶着機の発振器は真空管を使用し振動子は磁歪振動子を使用した溶着機が主流だった．そのため，発振器と振動子のエネルギー変換効率は悪く，機械も今では考えられないほど大きかった．今の超音波溶着機のパワーデバイスは当然，半導体を使用し，振動子も圧電素子のBLT型振動子（ボルト締めランジエバン型振動子）の物になり発振器の大きさも当時の物と比較すると約1/6（当社1000W相当の機種比較）の大きさになり，溶着制御も当時はタイマ制御だけだったがマイコン制御にて溶着を木目細かくコントロールする機械に成長した．溶着の制御方法や機械で使用される素子等の変更や改良は続けられてきたがプラスチックを溶着するときの超音波の振動方向は昔から縦振動を使用し，今現在でも溶着の主流の方法である．縦振動が使われ続けてきたのは振動·機械系の設計がし易く取り扱いが簡単なことが最大の理由である．おそらく今後も縦振動はプラスチック超音波溶着の主流の振動駆動系であり続けるだろう．