射出成形による樹脂－金属の高強度接合技術

摘要

モバイル·パソコンの金属筐体化が急激に進む中，射出成形に従事する者として，この変化に対処すべく熟慮した結果，意匠部を金属にし，裏面の構造体を樹脂成形で一体化させる事を着想した．すなわちプレス品をインサートして，裏面に樹脂成形された物が強固に接合した異種素材の複合成形である．大成プラス㈱は創業時から異種素材の複合成形を手掛けてきており，初期ではスキューバダイビングの足ひれをEVAとTPEのインサート成形で量産してきた．さらには，ABS·PC·PMMA等に射出成形で強固に熱接合する低硬度エラストマー樹脂の開発に成功し，国内·欧州の樹脂メーカーに，コンパウンドライセンスを提供する実績を持っていたが，これまで金属と樹脂の複合化の開発は困難を極めた．