樹脂材料の振動解析技術

摘要

近年，自動車における電子制御部品は搭載数が年々増加し，複数の機能を持たせる複合化や他部品と組み合わせるモジュール化が進んでいる．電子制御部品は他の重要部品との位置関係により搭載スペースは限定され，搭載するためのラックは複雑な形状となる．複雑な形状を金属で形成するには工作精度の問題から製作難易度が高くなるため，樹脂へ置き換えが行われている．しかし，樹脂は金属に比べ質量が小さく，また，弾性率が低く変形し易いため，振動現象で問題が発生する場合がある．自動車であれば，走行時の路面からの振動やエンジン振動の影響を受ける．特に部品の振動特性として，共振周波数がより高い周波数域にあることや変位の抑制が強く望まれている．これまでの組付け状態での振動解析精度は，共振周波数や変形パターンの傾向は合うものの，絶対値としての予測が難しかった．この点を改善するため，材料の特性とモデル化について検討した結果を報告する．