パナソニックのモノづくりと新規技術·事業の創出

摘要

グローバルな競争が激化し，日中韓の領土問題や，価格下落，原材料費高騰，電力料金の値上げなど，電機業界を取り巻く環境は，日に日に，厳しさが増している．一方で，省資源や省消費電力，リサイクルなど環境にやさしい商品開発がますます強く求められている．そして，技術革新や製造現場革新で，商品の差別化や商品の製造段階や使用時における低消費電力化を実現することが，メーカーとしての競争力を高める重要な取り組みとなっている．そのような環境変化の中，パナソニックが，これまで取り組んできた，モノづくりの活動として，①工場分野の取り組みと，②商品開発分野での取り組み，③生産技術について，特に，最新の成形技術をふまえて紹介する．次に，新規技術，新規事業の取り組みについて，4種類のデバイスを対象に，その戦略形成プロセスについて，技術の創発から量産に至るまでの歴史を事例研究し，開発リーダーの資質，組識と戦略について述べる．