新しい混練機構(VCMT)による2軸押出機の性能向上

摘要

最近の2軸押出機は，高速回転·高トルク化され生産量の大幅な増加が図られている．また，ポリマーのホモジナイジング，フィラー充填コンパウンドおよびポリマーアロイの製造，脱揮·乾燥，化学反応など広汎な用途に利用されている．2軸押出機のスクリュには，混練材料を主として搬送するスクリュセグメント，強いせん断を加えてポリマーを可塑化·溶融しフィラーの分散および分配混合を促進するニーデイングディスク（ブロック）などが組込まれてきた．これらのセグメントの種類および組合せ方によって，2軸押出機の生産能力あるいは混練品質は大きく変化する．著者らは長年ポリマー混練装置の開発あるいは改良に携わぅてきたが，最近はポリマー混練装置のロータあるいはロータセグメントの翼頂部とバレルの隙間(Tip Clearance: TC)を変化させる技術をVCMT (Various Clearance Mixing Technology)と命名し各種のポリマー混練装置に応用を図ってきた．ここでは，VCMTの混練メカニズムと主に2軸押出機への応用について説明する．