スバールバルライチヨウの種卵輸送と人工孵卵

摘要

東京都恩賜上野動物園では2008年，2009年にノルウェーのトロムソ大学極地生物学研究所からス バールバルライチョウLagopus muta hyperboreaの卵を計110個譲り受け，旅客手荷物として空輸 し人工孵化を行った.人工孵化には立体型孵卵器を用い.温度37.6°C，相対湿度47-49.5%を保持 し，1時間に1回の自動転卵に加え，朝と夕に各1回手動転卵を行なった.人工孵化の成績は， 2008年は有精率30.4%,有精卵に対する孵化率71.4%,卵重減少率は14.4±1.11%.孵化日数は22 日，初生雛の体重は15.3±1.62gであった.2009年は有精率70.9%,有精卵に対する孵化率82.0%, 卵重減少率は15.3±1.93%,解化曰数は平均22.6±0.48日，初生雛の体重は平均15.3±0.97gであつ た.