薄板（薄膜）·細線材料に対する斬新なヤング率測定法について(14)［大変形片持はり法（積層材料の場合）：その1（直接法）］

摘要

たわみやすい金属系材料あるいは高分子材料の薄板や細線などが機能向上のため積層化して使用されている。厚さや繚径が小さいこうした積層薄板（薄膜）、細線材料のヤング率を求めるにあたって、従来のヤング率測定法（引張試験、圧縮試験、片持ち曲げ試験、三点曲げ／四点曲げ試験など）の適用はがなり難しい。そこで筆者らは非線形大たわみ変形理論を用いて片持ち試験片を大きく変形させた状態の材料試験によって構成各層のヤング率を求める方法を提案し、実験で検証している。それら新しい大変形試験法では測定データも得やすく、ヤング率を簡単に求めることができる。ちなみに新試験法は通常のばね用薄板·細線のほか、めっき薄膜、コーティング薄膜、ICチップ上の薄膜、医用デバイス薄膜、MEMS用薄膜などのマイクロマテリアルやPVD薄膜，CVD薄膜、クラッド材、ラミネート材などにも応用可能である。