磁心を規則的に配置したワイドレンジ電流センサの開発

摘要

受配電設備の電流センサには変流器やロゴウスキーコイルが一般的に用いられる．近年，通常の電流計測に加え，設備保護を目的とした過電流計測を同一のセンサにて実現するために，ワイドレンジ化の需要が高まっている．ただし，変流器は磁性体コアを用いており，ワイドレンジ化に伴う磁気飽和対策としてコア断面積の増加が必要となり，寸法及び重量面で課題があった．一方，ロゴウスキーコイルはコアを用いていないため，磁気飽和の懸念はなく計測．レンジでは利点を有するものの，電流検出感度が小さく外乱磁界による計測値変動など精度面で課題があった．我々は，これらの課題解決に向け，ロゴウスキーコイルのコイル内部にコアを配置することで感度向上を図り，かつコアを空気ギャップにて多数分割することで変流器に対しワイドレンジ化を図った電流センサを開発した．