需給ひつ迫下でチー ズ向け拡大の余地はあまりない伸び悩む直接消費用の国産需要

摘要

2010年末に、新たなチーズ向け支援策として、チーズ向け生乳に対して60万tを上限に1お当たり14.6円を助成するチーズ向け生乳供給安定対策事業と、加工原料乳に限定されてきたナラシ事業へのチーズ向け生乳の追加が発表された。19000年代から続けられてきたチーズ対策は大きな変化の時を迎えたわけだが、この変化は生乳需給全体にどのような影響を与えるのであろうか。全国シェアの9割超を占める北海道の状況を中心に論じていきたい。今回のチーズ対策で大きく変わったことは、従来の対策では塞準数量(2010年度ほ直近3力年の供給量平均)から.の拡大数量に対して奨励金を交付する仕組みだったが，今回はチーズ向け生乳の全量を対象として助成が行われる点である.(ただし、上限60万t)従来は供給覃も増加させ続けなければ奨励金：交付額が減つてしまう制度だつたのに対し今回は供給量が減らない限り交付額が減ることはない。その意味で安定した枠組みになり、酪農家にとって従来よりメリットのある対策になつたといえる。