物理エネルギーを利用したドラッグデリバリーシステム(DDS)

摘要

現在，DDS医薬品は治療薬全体の1割を占めるようになっており，今後，その割合は益々増大するものと予想される。特に，全身投与型のターゲティング型DDSは，Doxil（制がん剤アドリアマイシンを内包したリポソーム製剤）やAbraxane（制がん剤タキソールを内包したアルブミンナノ粒子）が欧米において認可され（Doxilは本邦でも承認済），その他の多くのシステムが目下臨床試験中であることから，21世紀のDDS医薬品の主流になるものと思われる。ターゲティング型DDSは，治療効果の増強と副作用の軽減に加えて，服薬コンプライアンスを向上させ，患者のQuality of Life (QOL)を大幅に改善することが期待される。