都市災害での利用を想定した無線LANメッシュネットワークとモバイルアドホックネットワークの実地試験（2）－システム構成と性能評価結果

摘要

総務省関東総合通信局による「地域防災コミュニケーション支援システム」調査検討委員会が、2009年1月に東京·池袋で実施した、無線LANメッシュネットワークとモバイルアドホックネットワークの利用可能性に関する実地試験のシステム構成および試験における性能評価結果について述べる。無線LANメッシュネットワークでは、ほぼ標準化が終了したIEEE802.11sに準拠したネットワークを利用し、携帯端末としては、無線LANネットワーク、モバイルアドホックネットワークのいずれの試験においても、携帯電話網（3G）と無線LANとのデュアル端末を用いた。評価の結果、無線LANメッシュネットワーク、モバイルアドホックともに、ホップ数の増加に伴いスループットは低下するものの、災害等で携帯電話網が使えない場合でも、これらのマルチホップ無線通信の有効性を示す結果が得られた。