進行波励振十字分岐を用いた中央給電導波管Z形状エッジシャントスロットアンテナの2次元アレー設計

摘要

導波管狭壁スロットアレーは，導波管壁面を流れる高周波電流が，分割面と平行に流れる広壁の中央で導波管を貼り合わせる構造をとることができるため，ミリ波帯において，簡易な組み立てでも低損失なアンテナの実現が期待できる．本研究では，共振導波管でも2重共振により広帯域特性が得られる10素子Z形状エッジシャントスロットアレーを1次元アレーとして用い，給電回路の動作周波数帯域幅を広くするため，2次元アレーを中央給電設計した．中央給電において，中央部分に放射の無い領域が大きくならないように，十字分岐を進行波励振することで，2次元アレーのコンパクトな給電回路を設計した．給電回路から40本の放射導波管へ一様励振分布設計した結果，電磁界解析で32dBiの利得が得られた．中央給電であるため，設計周波数から±0.25GHz変化してもビームチルトせず，メインローブが正面方向から変化しない特性が得られた．