標本抽出を行ったデータからのコッドエンド 選択性曲線のパラメータ推定について

摘要

曳網類の袋網にあたるコッドエンドは, 一般的には網 の他の箇所に比べてより細かな目の網地で作られている。 このことから, 小型の個体を保護するために必要な網目 の拡大を求めるために, そのサイズ選択性が操業実験に よって調べられる。様々な操業実験の方法がある 中でもっと簡単な方法は, コッドエンドの外側にカバー ネットを取り付けて網目を抜けた魚を回収するカバ一ネ ット実験である。このカバーネット実験では, コッドエ ンドの網目を抜けずにその中に留まった魚と網目を抜け てカバーネットで採集された魚の大きさ(体長)を測る ことができる。そこで, 網目を抜けた魚の個体数割合を 選択率として体長ごとに求めることができ, 魚の体が大 きくなるにつれて, 網目を抜けにくくなることから, 選 択率は上昇する。この上昇していく魚の体長ごとの選択率に対して, 体長を変数とするS字型の形状の口ジスティック曲線式をあてはめることでコッドエンドのサイズ 選択性が表現される2)'化5)。これまでに, この選択性を表す口ジスティック式パラメータの最尤推定がMS-Excelのソルバーで行えることを示し, さらに, 推定 したパラメ一タの適合性を調べる尤度比検定について紹 介してきた。