岩手県北地域における漁場施設の復興の現状

摘要

岩手県県北広域振興局管内（洋野町-普代村）の漁場 は，親潮と津軽暖流が複雑に交差する海域で遠浅で波浪 力厳しい外洋性漁場であり，久慈市及び洋野町では県内 で唯一ァヮビ.ゥ二の潜水漁業が営まれている。洋野町は，ァヮビ，ゥ二の増産のため官民挙げて漁場 づくりや放流事業を進め地域漁業者の重要な収入源とな つていた。しかし，東日本大震災大津波により漁港漁場 等の生産基盤施設をはじめ.漁船'漁具，市場や漁具倉 庫等に多大な被害を受け.特産のゥニも打ち上げられる など，想像を絶する被害を受けた。その中にあって.ゥ二漁の復活のため地域M係者が一丸となって取組み，被災から数か月間でゥニ漁の再開.増殖溝へのゥニ移植の 再開.稚ゥ二種苗生産の再開，ゥニ直売会の再開を果た すことができたことは特筆に値する。本報告は，洋野町 における増殖溝の被災と復興状況や.町特産のゥニ復活 に向けた地域関係者の取組み状況を報告するとともに.発災3年10か月後における県北地域の復旧、復興の現場での課題について紹介する。