ィ力釣り漁業におけるスルメイ力の誘集、漁獲過程に関する研究

摘要

灯光でスルメィ力Todarodes pacificus力を集めて漁獲す るイカ釣り漁業は江戸時代にさかのぼることができるほ ど長い歴史を持っている"。大正時代までは松明や石油 灯が集魚灯（漁灯）として用いられ，昭和初期に電気照 明が導入されたが.当時のィ力釣りは小舟に乗り込んだ 釣子が海面に浮上したスルメイカを釣竿で釣る零細な漁 業であった".2>。戦後，スルメイ力に対する高い需要と 豊富な資源に支えられて.漁船の動力化.大型化，機械 化が進み.漁灯についても白熱灯，ハロゲン灯.メタルハライド灯（MH灯）へとその時代の最新の照明技術が 導入され.大光量化、大消费電力化が急速に進んだ化2)。 漁灯の大光量化は他船よりも明るい船が好漁するという 漁業者の経験を背景に進んできたが，大容量発電機や灯 具類の設備投資が増え.燃油の大量消費にともない燃油 コストが著しく増大するなど漁業経営を圧迫する要因に もなつてきたに。本漁業の高コスト体質の問題はかね てから指摘され，漁灯の消費電力の上限を規制する取り 組みも行われてきたが，抜本的な改善のないまま現在に 至っており，近年の燃油高騰により問題は一層深刻にな つている。