CO2微細気泡を用い美反応晶析法による微粒炭酸塩の製造

摘要

海水は，地球規模で最も巨大な貯蔵庫といっても過言ではないぐらいの多量のイオン成分を含んでおり，特に資源は乏しいが，海に包囲されているわが国において海水中のイオン成分を資源として利用することができれば非常に有効である．一方，二酸化炭素は地球温暖化を引き起こす温室効果ガスの一つであり，近年二酸化炭素の低減化のためにさまざまな観点から研究が行われている．化学工学的観点からの効果的な低減化対策の一つとして，海水中のCa2＋，Mg2＋，Li＋などの有価物イオンと排出されるCO2ガスとの反応晶析を用いた炭酸カルシウム，炭酸マグネシウム，炭酸リチウムなどの炭酸塩の生成による二酸化炭素の固定化が挙げられる．ここで，CO2微細気泡の導入により生じる気－液界面を新規な反応場として利用すれば，成分分離，有価物の回収，および二酸化炭素の有効利用プロセスへの発展が期待できる．