バイオミネラリゼーションと自己組織化による機能性ナノ構造の作製バイオナノプロセスとウェットナノテクノロジー

摘要

これまで科学は長足の進歩をしてきた．物理や 化学の成果は蓄積されその応用は大きく進み，人 類の生活は大幅に改善されてきた．特に半導体デ バイスでは，驚異的な工業的成功を収めて大きな 寄与をしてきた．この高性能化の源は微細化で， 現在では45nm程度の加工が可能となってきて いる．また，生物学の分野でも大きなブレークス ルーが起こっている．1950年代のDNAの発見か ら始まり，分子生物学が生まれ，iPS細胞など倫 理の問題はあるが生命を操作することも可能に なってきた．生物の極めて多様な形態や巧妙な能 力が，DNAにコードされたナノメータサイズの バイオ物質が自己組織化により組み上がって実現 されていることが明らかになり，生物は巨大なナ ノマシンの集合体としてとらえられるようになっ てきた．