林地残材から開発した空気浄化剤

摘要

排気ガスなどから出る環境汚染物質(二酸化窒素等)は、我々が毎日吸つている空気に微量ながら含まれており、様々な疾病の要因になると言われています。従って、それらの効果的な除去法を開発することは、人間の健康増進を図る上で極めて重要です。我々は、森林内の空気質が都市部の空気質に比べて、極めてきれいであることに着目し、その要因の検討から、樹木の有する香り成分(精油類)の果たす役割に注目しました。検討の結果、二酸化窒素を効率的に除去し、空気を浄化する樹木精油とそれらに関与する有効成分を新たに発見しました。また、それらの抽出原料として未利用林地残材であったトドマツの枝葉(写真ー)が利用できることも見出しました。さらに、トドマツ精油を活用した革新的な空気浄化剤の開発を企業との共同研究によって推進し、商品化を行いました。