ゥシでのiodixanol単回静注1回採血法による腎糸球体濾過量の測定

摘要

昨年度の本学会において，健常ホルスタイン牛の腎糸球体濾過量（GFR)を非イオン性X線 造影剤iodixanolの単回静注頻回採血法で測定し， 既知tracer (ィヌリンあるいはチォ硫酸ナトリウ ム）で測定されたGFR値と遜色のないデ一夕が 得られることを報告した.また，体重増加（200-800 kg),加齢変化（1-10歳），産次数（0-7産）お よび泌乳の有無の影響を調べ，その背景値の変動 についても報告した.今回はより簡便な手法であ るiodixanolの単回静注1回採血法によるゥシGFR 測定の確立を目的に，Jacobssonの式（1983)の 応用を試みた.Jacobssonの式は下記に示すよう に投与量（Q),分布容積（Vd),採血時間（t) およびt時間における血清tracer濃度（Ct)を変 動因子として含み，ヒトでは標準法である尿クリ ァランスと極めて高い相関性を示し，ラット，ゥ サギ，ネコおよび子ゥシでもその妥当性が検証さ れた1回採血法の計算式である.