先天性脊柱側弯症の手術成績

摘要

半椎を伴う先天性脊柱側弯症の手術成績を調査した.2006年10月から2013年7月まで， 当院で手術を行った半椎等を伴う先天性側弯症患者6例(男2，女4),手術時年齢平均10(4-13)歳 を対象とした.検討項目は，手術時間，術中出血量，合併症，術後1か月時と最終観察日における Cobb角矯正率と骨癒合状態とした.手術時間は平均419分，術中出血量は平均459ml,合併症は すべての症例に生じていた（一過性の運動麻痺が2例，一過性の感覚麻痺が3例，無気肺が1例）. Cobb角嬌正率は，術後1か月では平均66%，最終観察日では平均64%であった.全例において， 矯正を行った部位に骨癒合が得られていた.Cobb角矯正率は，諸家の報告と同等であつたが，合 併症発生率は諸家の報告より多かった.この手術は難しい手術ではあるが，経験の蓄積により.合併症の発生率を低下させる必要がある.