シンクルシIド養殖のバイオ一ーァ北海道の「カキえもん」北海道厚岸町では、地場産種苗の確保に向けて平成'年に日本で初めてシングルシ—ド方式を導入した。現在はこの種苗を用いて漁協で生産する「カキえもん」のブランディングに力を入れている。

摘要

北海道厚岸町は道東部に位置する人口1万人ほどの町で、水産業ゃ酪農が盛んな地域です。当地は古くから北海道の代表的なカキ産地として知られ、以前の厚岸湖内には「ナガガキ」、「ェゾガキ」と呼ばれた大型のカキが多数生息し、カキが重なり合ってできた「牡蠣島」が点在していました。しかし、昭和S年代後半に起きたカキの大量へい死をきつかけに、種苗は地場産から宮城県産へ、養殖方法は地蒔式から垂下式へと転換が図られました。そのような中、地場産種苗の安定確保を望む声が高まり、厚岸町はぬ年から厚岸漁業協同組合と連携して、地場産種苗生産の実現に向けた海外視察やさまざまな機関での技術研修、試験研究を実施しました。これらを経て、ォーストラリァをはじめとする海外のカキ生産地で一般的なシングルシ—ド方式を日本で初めて導入し、地域に適した生産サイクルを確立して生食用殻付きシングルシードカキ「カキえもん」を全国に提供できるようになりました。本稿では生産方法と今後の展開について紹介します。