Apert症候群に伴う母指橈屈変形に対する人工骨を用いた楔開き矯正骨切り術

摘要

【目的】Apert症候群に伴う母指橈屈変形に対して行ってぎた手術の治療成績について報 告する.【対象?方法】対象はApert症候群5例10母指，男4例，女1例，手術時年齢は平均5.9歲. 手術は母指橈側側正中に約1cmの縦切開を加え，基節骨中央で楔開き矯正骨切りを行い，骨欠損 部に人工骨を埋植し，2本の鋼線で固定した.評価はX線像上の母指末節骨と中手骨の骨軸のなす 角を橈屈角，末節骨先端から基節骨底辺までの垂直距離を母指長として計測した.【結果】全例骨癒 合し，平均橈屈角は術前55°,術直後4.4°，観察時10.8°で，観察時に軽度の矯正損失を認めた.平 均母指長は術前11mm,術直後17 mm,観察時18 mmで，術直後かお,50%以上め延長効果を認 めた.埋植人工骨は術後9か月以上経過した例では全例自家骨に置換されていた.【結論】本法は強 度の橈屈変形を伴う例でも手技に習熟すれば単純な皮切で大きな矯正が得られる手術法である.