シーン変化度の統計情報を用いたショートビデオのループ評価

摘要

昨年より、VineやInstagramなどショートビデオクリップを共有する新しいソーシャルメディア·サービスが開始され、注目を集めている。短時間での映像表現であるため、これまでの動画共有サービスと比べ投稿されるコンテンツの性質は大きく異なる。特にショートビデオサービスで大きな特徴·魅力の1つとなっているのが、映像の終わりと始まりが連続していてあたかも同じシーンがエンドレスに続いているかのように見えるVineのループ動画である。ユーザは興味深い動画を検索する手段の一つとしてloopというタグがついた動画を検索することがあるが、逆に視聴数を稼ぎたいがためにループ動画でないものにloopというタグがつけられることも多く、ループ動画を正しく検索する妨げとなっている。そこで本稿では、動画の色やオプティカルフロー、顕著性マップの変化などによってシーンの変化度を算出し、統計処理を施すことによってループ度合いを精度よく評価する手法を提案する。提案手法の妥当性·有効性はVineに投稿された1，022本の動画を用いた実験により確認し、ループ/非ループの2値判別では85.7％、ループ度5段階評価では61.6％の精度を得た。