大形三相変圧器におけるステップラップ接合による鉄損変化に関する検討

摘要

大形の三相変圧器は，方向性電磁鋼板をステップラップ接合して製作されることが多い。この場合，接合部のセグメントギャップ付近で鋼板面に対して垂直な磁束が発生する。これによって面内渦電流が発生し，局所的に鉄損が増加する場合がある。このような鉄損増加は，ステップラップ接合の仕方によって変化すると考えられるが，これについて分析した例は非常に少ない。一つの理由として，面内渦電流を考慮するには電磁鋼板 1 枚 1 枚を分割した三次元解析が必要であり，膨大な計算機容量が必要であることが挙げられる。更に異方性を厳密に考慮する場合は，有限要素法の行列式が非対称となり，非線形解析を行うための反復回数も増加するため，実用的な計算を行うことが難しくなるといえる。