NTT R＆Dの通信ネットワークにおける省電力化に向けた取り組み

摘要

NTTグループにおける環境負荷低減を目的に，R＆Dでは，将来のトラヒック増加に伴うICT装置の電力消費の増加に歯止めをかけ，安心·安全でつながり続けるサステナブルインフラの実現を目指している．サステナブルインフラを実現するための技術のうち，エネルギー効率向上や電力消費削減に貢献するものとして，電源関連技術，空調関連技術，ネットワークアーキテクチャやネットワーク装置の省電力化技術等がある．R＆Dでは，種々の装置単体の省電力化を推進するとともに，ICT装置群および電源·空調設備が設置される通信機械室等の設置環境に対して，総合的に省電力化となるようガイドライン等の策定に取り組んでいる．その端緒として，ICT装置の省エネ性能基準等を定めた「NTTグループ省エネ性能ガイドライン」を2010年に制定し，2013年にはエネルギーマネジメントに向けた省エネ機能に関わる要件を追加した．さらに，省エネ·高信頼なICTサービス環境を提供する高電圧直流給電システムの本格導入を推進し，高電圧直流給電システムとICT装置等の接続点における技術要件をまとめた「ICT装置等の高電圧直流給電インタフェースに関するテクニカルリクワイヤメント」を2014年に制定した．本稿では，これらの取り組み内容とその目指す姿について，説明する．