物理乱数による完全秘匿性とハッシュによる完全性を持っより安全な秘密分散システムの考察

摘要

ライフログやオフィス情報システムにおいて個人情報等の重要なデータを取り扱う際には，セキュリティの3要素である機密性／可用性／完全性の担保が重要となる．秘密分散システムは乱数を利用して電子ファイルを意味の成さない断片ファイルに分散することにより，高い機密性と可用性のもとでの分散保管を可能とするシステムであるが，多くの実装では，［1.乱数が計算による疑似乱数である］，［2.完全性を担保しない，例えば断片ファイルに対する改ざんのリスクが存在する］．本稿ではより安全な秘密分散システムを実現するため，乱数として疑似乱数ではなく物理乱数を全面的に用いる方法，さらに断片ファイルの完全性を担保すべく，ハッシュ値を利用した断片ファイルの改ざん検知の具体的な構成について考察する．