2015年ノーベル医学?生理学賞受賞者 大村智先生について

摘要

いっとき前，「もはや感染症の脅威はなくなつ た」とのアメリカの高官が豪語したが，これをあ ざ笑うがごとく，新たな感染症の攻撃はとどま るところを知らない.西アフリカのエボラ出血 熱がやつとおさまつたと思ったところ，今度は 母親が感染した場合に新生児の小頭症などが起 こるジカ熱がブラジルを中心に大きな問題となつ ている.こちらはエボラ出血熱と異なり，わが 国にもすでに複数の輸入感染例が報告されている.このような状況の中で2015年のノーベル生 理学?医学賞を大村智（さとし)北里大学特別栄 誉教授，米国ドリユー大学名誉研究員のゥイリ アム?キャンベル博士および中国中医科学院主 席研究員の屠拗呦（と?ゆうゆう）博士が受賞し たことはきわめて意義深い.