植物の細胞間シグナルとしてのCLEペプチドの働き

摘要

植物にはCLEと総称される分子量1万強のタンパク質をコードする遺伝子群がある．シロイヌナズナには31のCLE遺伝子があり，コケより高等な植物ではCLE遺伝子の配列が見いだされている．このCLE遺伝子産物の分子実体が最近の筆者らの研究により解かれ，水酸化されたプロリンを含む12個のアミノ酸から成るペプチドであることが明らかとなった．ここではCLEペプチド研究の現状について紹介し，植物におけるペプチドリガンドの意義を考える．