オミクス研究による植物遺伝子機能の解明：癌予防成分グルコシノレートの生合成制御因子の同定

摘要

動物と植物の遠いは何か？ この問いに対する答えは色々あるが，"－植物は，必要な化合物を二酸化炭素と無機イオンから自分で合成できるりという点も大きな違いの1つである，ヒトを含む動物は，植物が合成した有機物を摂取して生きている．そのためか，はやりの"メタポリックシンドローム（代謝症候群）－'や"薬物代謝"などの言葉からイメージされるように，"代謝"という言葉には，"摂取した栄養分の異化異物の分解·排出"という意味合いが一般的には強いようである．だが本来，"代謝"は生体内のすべての化学反応を指し，植物科学では"同化，生合成"に近い意味で用いられることすらある．植物研究の意義の1つは，動物も依存する植物の"代謝"，つまり"物質生産能力"を明らかにすることである．