第3回　リウマチモデルの新局面

摘要

慢性関節リウマチ（rheumatoid arthritis；RA）は，関節病変を主徴とする全身の異常を伴った多発性，進行性の自己免疫性疾患である．患者は人種に関わりなく世界中に分布し，脛患率は人口の約1％，女性が3－5倍多いと考えられている．RAの発症は，human leukocyte antigen（HLA）-DR4やDR1などのクラスⅡ組織適合抗原と相関することが知られており，特定の抗原提示能が発症に関与すると示唆されている11．またこれらの遺伝的要因に加えて，感染症宅後に詳しくHTLV?1について記載）などの様々な環境要因も関与していると考えられているが，その病因についてはいまだ不明のままである．