VPE/legumainによる液胞·リソソームタンパク質の成熟化

摘要

新生タンパク質は合成の場から各々横能する場に運ばれ，ものによってはペプチド結合の切断を伴うプロセシングにより成熟化し機能を発現するようになる．今回紹介する2つの論文は，シロイヌナズナl）とマウス2）で同じフアミリーのプロテアーゼが液胞およびリソソームタンパク質の成熟化に関与していることを示すものである．植物細胞の液胞と動物細胞のリソソームは機能的に相周なオルガネラである．これらのオルガネラに局在するタンパク質の多くは，まず小胞体でプロ型前駆体として合成され，小胞輸送により液胞／リソソームまで運ばれ，プロテアーゼによる限定分解を受け成熟化する．この切断を行うのがVPE（vacuolar processingenzyme，液胞プロセシング酵素）／1egumainファミリーのプロテアーゼである．進化的にかけ離れた生物種で共通のプロセシング機構が機能していることが明らかとなった．