干渉フィルタ再認識

摘要

蛍光イメージングに関わるすべての人々による蛍光イメージング革命を推し進めるには，蛍光イメージングのための機器や試薬を開発，販売するメーカーと，それらを購入して蛍光イメージングを実践する研究者（生物学者）との間で，適度の相互理解が望まれる．メーカーは研究者の要望を広く募っている．もっとも，"なるべく多くの研究者に共通するニーズをつかもうと一生懸命である"と言ったほうが当たっているのかもしれない．一方，研究者がメーカーの心を思いやる必要はないが，あれこれの新製品がどういうコンセプトで開発されたのか，などをきちんと理解，評価していくことは重要であろう．そこで，メーカーが営む世界（光を扱う世界）を，研究者が垣間見る機会を作ろうと思う．生物学にどっぷりと漬かる研究者も，高校や大学の教養課程で，光の物理や化学を修めたはずだ．当連載では，既習事項を呼び起こしながら，蛍光イメージング用の機器や試薬の基本原理や一般的開発に関する知識を提供していきたい．