リンパ管新生因子はどのようにして転移を促進するのか？

摘要

原発巣の悪性腫A細胞の播種には様々なメカニズムが寄与していると思われる． 局所組織における浸潤，腫m血管を介する遠隔臓 器への全身性転移，そしてリンパ管を介するセンチネルリン パ節注1．遠隔リンパ節への転移，またそこから遠隔臓器への転移など である．最後の経路は多くの種類の固形癌の初期転移に共通した経 路である．リンパ性転移の程度はほとんどのヒト悪性疾患の予後や 進行度の決定因子であり，しばしば治療法を決定する指標となる．原 発巣からの腫瘍細胞のリンパ管システムへの播種は。周囲組織 にすでに存在しているリンパ管へ浸潤するか，腫a内リンパ管ネッ トワークの中に浸潤するか。このいすれかによって達成される． ヒ ト腫瘍のあるものでは。内におけるリンパ管の存在は。リンパ管 転移や悪い予後と相関すると報告されている． 腫a内リンパ管と対 照的に，a周囲のリンパ管はその本来の機能を果たしており，リン パ液を大循環に還流させる．