船舶におけるバラストタンクの構造とその物理化学環境

摘要

船舶による輸送量は増加傾向にあり，特に国際間の輸送量はBRICsなどの急速な発展と国際的な分業化にともない，近年のその伸びは著しい。 我が国は四方を海に囲まれていることもあり，輸出入の重量ベースで実に99.7％を海運に頼っているのが実状である。 一方で，こうした船舶の国際的な運航にともなう海洋生物の越境移動が問題となってきており，特にバラスト水による生物の越境移動はIMOにおいてバラスト水管理国際条約が採択され，規制の方向で動き出している。主な資源を輸入に頼り，製品を輸出している我が国は，バラスト水の大きな愉出国でもあり，早急な対応が求められている。