有害有毒赤潮の生物学（26）淡水産ラフィド藻Gonyostomum semenのブルーム

摘要

ラフィド藻（raphidophytes）は光合成を行う単細胞藻であり，分類学的には不等毛植物門（Heterokontophyta）に属し，ラフィド藻綱（Raphidophyceae）の仲間として取り扱われる。新しい分類体系によるならば，ラフィド藻綱は1目（シャットネラ目：Chattonellales）1科（ヴァキュオラリア科：Vacuolariaceae）とされている~(1))。表1に，近年報告されたものを含めて，ラフィド藻における属レベルの分類を示した~(2，3))。底生のものを除く海産のラフィド藻類は，Chattonella属，Heterosigma属，Fibroeapsa属など，沿岸域において濃密な赤潮を形成して魚介類を大量斃死させるものが多い~(4))。