汽水産多細胞藻類の分類と形態

摘要

これまで，形態変異や生殖的親和性を調べることによって，種の分化程度を推察してきた。 しかし，これらのデータは必ずしも情報量が充分ではなく，解像度の面でも優れているとはいえない。 それに対して，核酸の塩基配列に基づいた分子系統学的解析は，情報量の面でも解像度の面でも大変優れており，系統分頬，極分化，生物地理，生態など多方面でこのツールが利用されている。 分子系統学的解析では，額縁関係が明らかになるだけではなく，分子時計を用いれば，いつ分化したかを推定することも可能となる。 分子系統学的解析を行う上で最も重要な点の山つは，どの道伝子を解析するかということだろう。