通電焼結法による電気機能性セラミツクスの作製

摘要

通電焼結牡（放電プラズマ焼紆乱パルス通電加圧焼結法）は，圧粉体試料に直流のパルス電流を印加することにより数分間程度の短時間で高密度の焼結体を得る方法で，近年様々な材料に適用されて種々の興味深い結果が報告されている1）。 ニの方牡の特徴の1つは短時間による焼結であり，このために従来困難であった組織?組成の制御が比較的簡便に行えるようになり，従来とは異なる機能?特性を有する焼結体を作製することが可能である。 組織制御の点では，例えば，短時間焼結を利用して粒径?結晶子サイズ（ドメインサイズ）の小さな高密度焼結体が作製でき，機械的強度，誘電率，磁気特性等を制御することができる。また，組成制御の点では，例えば，高温長時間の熱処理で挿発し易い元素を含む化合物を短時間で焼結することにより組成ずれを抑制でき，材料が本来持っている特性を十分に引き出すことが可能である。 電気機能性セラミックスに限ってもそのような研究報告は数多く，全七を概観するのは難しいが，本稿ではその中で興味深い報告をいくつか取り上げながら，併せて著者らの研究例も紹介してみたい。