レーザー学会産業賞を受賞してーマイク口チップグリーンレーザーの開発ー

摘要

この度は，栄えあるレーザー学会産業賞 奨励賞を頂き感謝申し上げたい．レーザー学会ならびにご指導，ご尽力いただいた関係各位には心よりお礼申し上げる。さて，小型のグリーンレーザーが，レーザープロジェクタ等のとりわけ人間の色覚に作用する可般型機器のための光源として注目されている．グリーンレーザーは光の3原色のひとつとして重要であることは言うまでもないが，人間の目の視感度が赤色レーザーに比べて4倍以上高いため，建設現場や医用機器で必要となるエイミングッールとしての重要性が増しているためである．とこ ろが現在，光の3原色であるRGB（レッド，グリーン，ブルー）のうち，レッドとブルーの光源は既に半導体レーザーによって実現されているが，残るグリーンの半導体レーザーは，発振可能な波長範囲と出力の点で今後さらなる発展が期待されている段階である．また，赤外の半導体レーザーを直接波長変換することでグリーン光を得ることができるが，赤外光を導波路などに閉じ込めて変換効率を上げる構造や，発振波長の変動を安定化するための機構が必要であるなど，コスト的な面での課題があるといわれている．一方，固体レーザーをべースとする小型のグリーンレーザーは，励起光源にコンパクトディスクで使われる800nm帯の半導体レーザーが使えることや，「マイクロ固体フォトニクス」として先進的固体レーザーの基盤技術が確立されてきたことから，コストおよび性能の両面において最も注目される技術の一つであるといえる．