アンチペロブスカイト超伝導体の高圧合成

摘要

AXM_3(A＝Mg，Al，Zn，Ga，Cd等の元素，X＝C，N等の軽元素，M＝遷移金属元素）で表すことのできるアンチぺロブスカイト物質はL2_1型規則構造を持つAu_3Cu合金等の体心位置にC，N等の軽元素がインターカレートした構造とみることができる.L2_1型合金では遷移金属元素を含む多くの物質が存在するためL2_1型合金に軽元素がインターカレートしたアンチぺロブスカイト物質が豊富な物質群を形成することとなる.アンチペロブスカイト構造では一般的なぺロブスカイト構造において，通常，酸素等の陰イオン軽元素が占める八面体の頂点を遷移金属元素が占め，反対に，通常，遷移金属元素が占める体心位置を陰イオン軽元素が占める構造とみれるため，呼称に"アンチ”という接頭語が付く.図1にアンチペロブスカイト構造の模式図を示した.