「政経分離」対「政経一体」の「名実論」的分析戦後日本の両岸政策の形成と転換（1952－1972）

摘要

本稿の問題意識はおもに戦後日本の対華（台湾），対中（大陸）の外交モデルの形成に関わり，かつ1952年から1972年までの日本の台湾政策の形成と転換を分析するものである。 1952年に主権を回復した日本は米ソ両極が対峠する国際的分裂の局面および両岸の分裂統治に直面するが，同時に「1つの中国」（Only One China）を主張し，「漠賊両立せず」を堅持するという困難な外交のなかで，いかにして相手の「政経一体」の要求のもとで「政経分離」の対外交流枠組みを採り，かっ情勢の変化に応じてメインサブ填型を調整するのかが，戦後の主権を回復し独立して以来20年にわたる日本の両岸政経交流における一員した政策であった。