加工食品とその原材料に関する消費者意識と購買行動― 福岡市住民へのアンケート調査を基に―

摘要

本研究の目的は加工食品とその原材料に関する消費者の意識と購買行動を明らかにする事に あった。分析の結果，消費者の加工食品に対する国産原料認識度合いは品目によって大きな差があり， またその差は加工メーカーの国産原料使用割合とも決して一致しない結果であった。また，加工食品 の安全性の向上や表示内容の吟味等，国産原料化を考える場合，その品目毎に現状の認識度合い，求 める情報ニーズが大きく異なる事が示された。 また，加工食品の安全性に対する意見，態度によってクラスター分析を実施した結果，アンケート 対象者は3つのクラスターに分類する事ができ，上記の意見，態度に対して厳格な約3割のグループ と，そうでない暖味な態度や多様な意見を持っ約7割のグループに分かれる事が明らかになった。さ らに，それらのクラスター分析結果をもとに，国産原料の認識度合いや国産志向を見てみると，加下 食品の安全性に厳格な約3割のグループは国産原料の認識の際，明確に国産であるかどうか確認する 割合が高い結果であることが明らかになった。また，国産であると思いこみ購入する割合や国産志向， 国産原料でないものも購人する割合には大きな差は見られなかった。