高炉セメン卜B種コンクリー卜の収縮ひび割れ抵抗性に関する実験検討

摘要

高炉セメントB種コンクリートは,環境負荷低減に大きく寄与することから,RC造建築構造物への適用が期待されているが,環境温度が高い場合に収縮ひび割れ抵抗性が低下するなど課題も指摘されている。本報では,高炉B種コンクリートの収縮ひび割れ抵抗性が低下する要因について検討することを目的に,30℃,20℃,10℃における拘束ひび割れ試験,自由収縮試験,凝結試験,強度試験,クリープ試験を行った。実験の結果,高温環境下において高炉セメントB種コンクリートの収縮ひび割れ抵抗性が低下することが確認され,その要因として,硬化初期の乾燥の影響により強度増進が停滞すること,高温時に自己収縮ひずみが増大すること,普通コンクリートに比べてクリーブが小さくなることなどが実験的に明らかとなった。