山村振興と森林·林業再生プラン

摘要

山村振興の話をすれば、よくこの質問が出される。高度経済成長期においては、山村から人が流出し、都市部に人が集中しても、都市部には彼らを吸収する力があった。しかし、近年は経済のグローバル化のなかで、工場が人件費の安い海外へ流出したり、省力化されるなど、その吸収力は減退しており、彼らの就職先は減少し、フリーターや派遣労働者が都市にあふれ、都市の社会状況は極めて不安定なものとなっている。一方、山村に目を向ければ、過疎化がすすみ、耕作放棄地や管理が行き届いていない森林が増加している。山村のもつ水源の涵養や保健休養等の公益的な機能の発揮に懸念が生じており、この ことは、日本で安心して暮らしていく上で重大な懸念材料になっている。